会社に取引先から戻ると、机の上に「東さんという方から電話がありました」というメモが置かれていました。さて、「ひがし」さんとお読みするのか、「あずま」さんとお読みするのでしょうか?メモを置いてくれた方に確認しないと何と読んでいいのかわからない言語を私たちは普段から使っております。
特に問題になるのは情報検索で、日本にも欧米に負けない情報の蓄積があります。しかし現在の日本語のままでは、必要な情報がタイムリーに引き出せません。
梅棹忠夫全集の索引を作るのに1年もかかりましたが。欧米なら簡単に出来あがってしまう索引が日本では作れません。単語の読み方がわからないし、特に固有名詞は本人に聞かない限り正確な読みはわかりません。
アメリカでは索引の無いような本は、読む価値もないとされていますが、日本では学術書にさえ索引の無いものが多いのが実態です。
日本の文明を維持していくには、この言語体系のままでは21世紀が乗り切れないというのが梅棹先生の主張で、今、ライフワークとされています。
さて11月特別セミナーとして知的生産の技術研究会が生まれるきっかけともなった「知的生産の技術」(岩波新書)を1969年に出された梅棹忠夫先生にご講演いただきます。梅棹先生は知研の特別顧問と同時に社団法人日本ローマ字会の会長でもありますので、当日は日本ローマ字会との合同セミナーとして開催いたします。
土曜日の午後の開催ですので、ぜひ足を伸ばして大阪までお越しください。ビジターの方も大歓迎ですので、ご参加お待ちしております。短めの講演の後、お集まりの皆さんと梅棹先生とで毎回ワイワイやるフランクな会になっております。