ロストプロセスジェネレーション
日時:2003年6月25日(水)
場所:大阪産業大学 梅田サテライトキャンパス
「いま若者のことがわからない」。こうした素朴な疑問から調査が始まりました。豊かで当たり前という時代に生まれ育った若い人たちは、気負わず自然体、男女ともにおしゃれ。携帯電話を使いこなし、インターネットを活用し情報化社会を謳歌する。
サントリー不易流行研究所研究所では若者のライフスタイルや価値観を探るため昭和50年代生まれ(現在17歳から27歳まで)の若者約100名を対象にインタビュー調査を実施、調査結果をまとめた本が出版されました。
彼らの生の声を集め、家族、友達、恋愛、将来についての思いや悩みを通して等身大の若者の姿を明らかにしています。
その調査を実際に担当し、本にまとめた研究員の清木環さんに、調査の際のエピソードと、親や大人世代が、自分の子供や周囲の若者を理解するヒントなどを裏話をまじえながら話していただきます。
今回のテーマの「ロストプロセス・ジェネレーション」とは豊かさと情報化の中、自らプロセスを重ねることなく大人になっていく若い世代を指しています。多様な選択肢はあっても、選択することの難しさに逡巡し、目標をもてない若者達と、「いまどきの若者がわからない」と不安を抱く大人達。
豊かさを前提にした若い世代と、豊かさを求めて頑張ってきた上の世代では価値観に大きな違いが生じています。
今ITを日常的にフル活用しているのは昭和50年代生まれの若者達。その彼らが使いこなす、あるいは求めている『情報の有り様』とは?いまどきの若者の「こころのかたち」を知ることで、次の情報化社会のひとコマが見えてくるのではないでしょうか?
略歴:1962年兵庫県生まれ。神戸女学院大学文学部卒業。
サントリー株式会社入社後、デザイン部を経て、不易流行研究所
研究員。主な研究テーマは、若者のライフスタイル・価値観、盛
り場、街遊びの楽しみなど。
著書:『変わる盛り場』(学芸出版社 共著)。『ロストプロセス・ジ
ェネレーション』(神戸新聞出版センター 共著)を2002年12月
に発売。
なお、サントリー不易流行研究所は、サントリー株式会社の創業90周年記念事業として1989年5月に設立されました。
衣・食・住をはじめ、遊び、つきあい、自然や芸術の楽しみに至るまで生活のなかの様々な「楽しみ」にスポットをあて、21世紀に向けての豊かな生活像を長期的かつ幅広い視野から研究しています。