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アイデア社長の情報仕事術

講師:ウイクリーマンションツカサ社長 川又 三智彦氏

日時:1994年2月17日(木) 大阪府立文化情報センター


講演抄録

まず音の出る名刺ですが、これ一枚400円します。ですのでもらった方は4人以上の方に見せてください。大体それでもとがとれます。(笑)

都会でワンワンマンションを作っているのですが、デスクから冷蔵庫から電話までいれて1週間9700円なんですがほかでは電話の受け付けだけで3万円というところもありますのでそれより安く都心部に簡単なオフイス機能を提供できています。ただウイクリーマンションの知名度が高すぎてあまり需要がなくマックをからめた講演とかやって需要を喚起しています。(商品を説明する相手を今まで間違えていた)

自分が将来何をするかから住まいを決めている人は少ない。大体自分が今払える金額からどこへ住もうかと考えている。本当はこれでは自分の将来を自分でせばめているようなものである。

ウイクリーマンションの立ち上げ

ウイクリーマンションはホテルとアパートの中間を狙った商品。スペース的にはホテルのシングルルームと同じだが収納式などで食器や家具を全部セットして1週間単位で3万円程度で貸している。(アメリカなどでよくやってるシステム)最初は不動産をやっていて老朽化したアパートを立て替えたかったが6軒くらいが出て行ってくれなくて苦肉の策で始めた。

やり始めたけど常に失敗 最初に来たのは普通のアパートとか入れない人で料金の滞納率が30%強とか中の備品を全部持ち出して夜逃げとか電話でサラ金にかけまくったりとかざんざんな面に会ったというわけでカードーキーを導入しないとどうしようもなくなった。でないと管理人も逃げるような状況で1室当たり50万円近くをかけて導入した。

私は問題が起こってから考えるタイプで結局今まで来た。ようは自分の馬鹿さかげんをどうフォーローするかを考え続けてシステム化してきた。

情報の整理術

携帯用のカセットテープに誰とどこでどういう用件で会ったとか全部吹き込んで夜寝る前にシステム手帳に書き写しています。この時にあそこに電話しないといけないとか全部チエックしています。これのおかげで何月何日にどこでどうしたとか全て分かります。また大きなビジネスチャンスやアイデアも浮かびます。やはり書いて残すということがアイデアを生む大きな土台です。

バブル時代

当社で1,400から1,500億の借り入れをしています。バブルの時銀行員の甘言にのせられまして借りまくりました(笑)。途中から止められました。

ウチの場合、別に土地ころがしをするわけじゃなしあくまでその土地に何を建てていくらあがるかで考えていますので買った土地が上がろうが下がろうが関係ない話なんですが、ある日突然大蔵省の通達一本で不動産、ノンバンク、ゼネコンには金を貸してはいけないとなりましてピッタリ止まりましたね。(笑)

建築中のものもありどうするかまいりました。これがその当時16ヵ所ありましてね。仕方がないので全部建築会社を回りましてね作ってウチに渡したら利益が出るのでそれで金を払いますから途中で中止にだけはしないでくださいと説得に歩きました。

でも300万、400万借りて返さないとかで銀行員の殺人事件とかありましたけど、ちなみにあの銀行はうちも借りているんでやばいんですが、(笑)でも1,400億とかなりますと絶対に殺されませんね(笑)僕を生かしとかないと取りはぐれになっちゃうんで(笑)

バブルの頃は借り入れが1,500億あっても含みで2,000億ぐらいあって500億くらいの大富豪だったんですけど、そして雑誌の大富豪トップ100とか入っていたんですよ、ところが今その2,000億の評価が1,000億切っているんです。これマイナスでしょう。大貧民じゃないですか(笑)こりゃ退屈しませんよ。

最近でもときどき不動産関係の社長連中が集まりまして情報交換とかやっているんですが、ちなみに新聞などでは銀行の不良資産14兆円とか出てますよね、こないだも集まりましてね「おまえのところ7,800億あるだろ」「おまえのところは1,500億で少ないだろ」1,500億で少ないのですよ(笑)とか計算していきますとそこだけで4兆円くらいありまして(笑)、全部で14兆円なんて全くのデタラメです。本当は100兆円ぐらいのようですね。これ長信銀とかすべて金融機関の貸し出し額の3分の1ですよ。

株価のピークで800兆円ぐらいだったんですが、今2万円くらいなので400兆円ぐらいですね、これでー400兆です。土地が2,200兆円が今1,000兆円ですのでこれでー1,200兆円ですか、併せて1,800兆円マイナスです。GNPが大体500兆円でしょう。約3倍がバブルで飛んでいます。桁が大きすぎてピンときませんよね。ちなみに貿易黒字で大騒ぎしてますよね、あれが1,300億ドルです。13兆円ぐらいですか、ですので今日本がどんな大変な状態にあるのかほとんどの人は理解していませんね。ですのでそのへんの認識を一番しているのは我々不動産屋じゃないでしょうか。自分の足元まで来たときにはもう遅いんですよ。

土地に価値は無い、情報に価値がある

土地というものは価値があると誰もが思っていましたが、土地というのは大蔵省たった一枚の通達でつまり情報だけで結局1,000兆円が飛んでしまいました。つまり情報が一番価値があったんですが、これを3年前じゃなくってもう少し前に気がついていたら僕は大貧民じゃなく大富豪に今ごろなていたはずなんですが、やはり自分がそうなるまでは分かりませんね。でも皆さんも気がついていないようなので大貧民になるのも近いですよ。(笑)

そうならないように早めに気付いてくださいね。でも私もそうなってから新聞・雑誌の経済面や本屋へ行ってもそういうものばかり目がいくようになりましたね、自分なりにまとめるようになりました。そうして色々調べますとやはり因果関係がありまして(壁に貼った3メートルくらいの各経済指標などを組み合わせた大きなグラフをもとに説明)

すべてはこのバブルは不動産屋が悪くってあいつらに金を貸したからこうなったんだと大蔵省の通達が出て、不動産屋をしめつけて土地の値段が下がろうが株の値段が下がろうが、それは不動産屋と株屋が困るだけで何の影響もないと思ってたんじゃないですか、皆さんも実はそう思ってたんじゃないんですか3年ほど前までは だから不動産屋がつぶれようとザマミローじゃかったんですか今になってみるとこっちがザマミローですね(笑)

というのはこれだけのものが実態経済に影響しないわけがないじゃないですか、銀行は持っている土地の価値が下がればお金が貸せなくなるし、それを土地がどれだけ下がろうと株の値段がいくら下がろうと実態経済には影響しないと天下のエコノミストとか官僚とか経済学者とかみんな言ってましたからね、あれほど馬鹿だとは思いませんでした。(笑)

マルコーさんとか杉山さんとか前はエベレストでしたね、大きな壁でしたねそれが3年たって今はザイルも持ったピッケル持ったさてこれから登るべえと思ったときに周りを見ましたら一面焼け野原。何にもありませんでしたね。(笑)業界1位のマルコーさんもその次の杉山さんもみんないなくなりました。


 後半 省略

講演後、持参のアップル社のPowerBookで情報整理術のデモをしていただきました

・DayMakerによるスケジュール管理
・Inspiration(アイデアプロセッサ)によるアイデア整理
・Excelによる新聞記事検索(表計算ではなくデータベースとして活用)

また各種の情報機器(まとまりやすいように両面テープを使用して一箇所に集まるようにも工夫されている)の紹介もしていただきました

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